医学部生の自習室

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医学部の勉強の中で感じたことや、面白い知識などを共有していきます!!ほかにも医学部生の実態や、あとは本当に関係ないことも書いていこうと思います笑すこしでも皆さんのためになったら嬉しいです:)

薬理学 自律神経に作用する薬 / 生理学 自律神経の働き

 

今回は、

自律神経に作用する薬がどのように身体に影響を及ぼしていくのかを理解していくうえで、非常に重要な部分であり理解するうえで避けては通れない

 

自律神経の働きにつて、生理学的な観点からまとめていこうと思います

 

 

もしまだ自律神経の解剖学的な構造を理解していないよ

というひとがいらっしゃいましたら、まずはこちらを読んでから☟

 

poohmedical.hatenablog.com

 

構造の違いを理解することで、見えてくるものもあるので

ぜひ読んでから、またいらしてください!

 

 

自律神経の構造のところで、自律神経には大きく分けて種類あるということを説明し

何が違うのかをまとめましたね

 

ではここから、機能について書いていきます

 

それぞれの機能を話していく前に、

みなさんに質問です

 

交感神経と副交感神経のどちらがより生命に直接影響を与えていると思いますか?

 

私にとっては意外なことだったんですが、

副交感神経のほうが、生命を維持していく上ではより大事になってくるんです

 

普段よく耳にするのが交感神経だったんで、

勝手に交感神経のほうがより重要なんだと思い込んでいました😅

 

もちろん、両者とも私たちが生きていくうえで欠かすことができないのは、言うまでもありません

 

では、それぞれの説明に参ります

 

1)交感神経

 

交感神経が身体に及ぼす働きは、

一言で2F;「fight & flight」 と表現されます

 

日本語では、「とうそう反応」と表すことができると思います

 

なぜ平仮名なのかというと、

fight :闘争 と flight :逃走 を意味しているためです

 

英語と日本語、どちらとも一言で覚えることが可能なので

この機会に覚えてみてください

 

つまり、交感神経は体の代謝をあげることによって

刺激に反応しやすい状態、要はすぐに動ける状態を作っていきます

 

試合の前にドキドキしたり、人前で話すときに鼓動が聞こえてしまうのは

交感神経が準備を始めている証拠なんです

 

具体的にどんな変化が体内で起きているのかというと

・心拍数の増加

・骨格筋と肝臓、肺の血管拡張

・末梢血管の収縮

・脂肪分解、グルカゴン分解

・気管支の拡張

・瞳孔の散大

などです

 

いろいろなことが起こっているように見えますが、

これから運動をするときに必要なことは?

と考えていけば、どれも納得ができると思います

 

2)副交感神経

 

副交感神経の働きは、ずばりホメオスタシスの維持、ということができます

 

腸管を動かすことにより、消化・吸収を行い

膀胱平滑筋に作用することで、排尿を促していきます

 

また、深呼吸をしたりお風呂に入った時に、落ち着いた気持ちになると思いますが

これも副交感神経の働きのおかげです

 

 

そして交感神経と副交感神経はほとんどの臓器で、二重支配という形態をとっています

つまり交感神経にも、副交感神経にも影響されているというわけです

 

それでは、どうして片方の影響が強く出る時があるのでしょうか

 

これを考えるのに一番シンプルな考えは、強いほうが勝つ、です

 

つまり、より優位なほうの影響が結果として現れていきます

 

そして、この優位ということを考えるときに覚えておいてほしいのは

全ての臓器で平等に分布しているわけではない、ということです

 

どういうことかというと、

例えば、心臓では交感神経よりも副交感神経である迷走神経のほうが圧倒的に強い支配をしています

 

このように、両方に支配されていても

もともとの強さは平等とはなってはいないこと

この先どんな影響が出てくるのかを考えるうえで、大事なポイントとなってきます

 

 

これを実験的に確認したものがあります

 

交感神経と副交感神経を両方とも、同時に遮断するという実験です

 

どのようにして両方ともを遮断するかというと

 

神経節をブロックすることで、シグナルの伝達を阻止し、標的まで到達しないようにするんです

 

どうして神経節なの?

と思う方もいると思います

 

これを説明するには、受容体について説明する必要があるため、ここではいったんパスさせてください!!

 

この実験から

自律神経によって普段は、より大きい力によって制御しているということは

何も作用していない状況においては、制御する力とは反対の力が強く作用していると考えることができます

 

自律神経が働かない状態にしてあげると、

心臓においてはより拍動が速く、瞳孔においては散大する方向に進んでいきます

 

 

私なりの解釈ですが、

自律神経が全く働かない状態というのが実際に起こった時って

ただ事ではないと思います

 

そのため体は防御的な反応

つまり2Fの反応を促すほうへと進んでいくのだと思います

 

 

 

自律神経のおおまかな働きはこの辺になります

 

これだけのことを頭に入れて

あとはそれぞれの薬物が作用したときには何が促進されていき、抑制されるのかを考えていけば

自然と体に起こる変化というものが理解できてくると思います

 

 

次からは、薬理学な視点から自律神経を見ていこうと思います